フェアトレードとは

始めにこちらの動画をご覧ください。

NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンより)


 

フェアトレードとは、直訳すると「公正な貿易」という意味です。

開発途上国の生産者の方々から、適正な価格で生産物・製品を購入することで、生産者の自立を促す貿易の仕組みです。

多くの途上国では、生産者が労働対価として十分なお金をもらえてないことがあります。生産物の買い叩きや児童労働、劣悪な環境下での労働、農薬汚染などの問題を併用し、生活に不安を抱えた生産者も多くいます。これらの問題は、先物取引による市場価格の決定や価格交渉力のない生産者の弱さに一因があります。

また、フェアトレードとは、商品を彼らの労働力に見合った価格で輸入、販売をする、対等な取引であると考えています。

なるべく中間業者に頼らず、生産者との直接取引により顔の見える関係を目指します。これは募金やボランティアなどの現地の人たちにお金やモノをあげる支援ではなく、現地の人たちの自立を支援するビジネスです。そして単に彼らの経済的・社会的な自立をサポートするだけでなく、少ない利益のため、やむを得なく行っていた焼き畑農業などの自然破壊を防ぐことができ、同時に自然環境や人間に優しい商品を生産することができます。

加えて、フェアトレード(公正貿易)の解釈は多様で、その言葉に込める思いや意味は、団体や人によって異なっています。

そうした中で、2001年に4つの国際的なフェアトレード連合体(4連合体の頭文字をとってFINE)が共通の定義を打ち出しました。今日もっともよく引用されるこの共通定義は、以下のようにフェアトレードを規定しています。

フェアトレードとはより公正な国際貿易の実現を目指す、対話・透明性・経緯の精神に根ざした貿易パートナーシップのことを言う。フェアトレードは、とりわけ南の疎外された生産者や労働者の人々の権利を保障し、彼らにより交易条件を提供することによって持続的な発展に寄与するものである。

また、フェアトレード団体は、消費者の支持のもとに、生産者への支援、人々の意識の向上、そして従来からの国際貿易ルールや慣行を変革するキャンペーンを積極的に推し進める団体である。

フェアトレードの戦略的意図は次の3つである。

  1. 疎外された生産者・労働者が、脆弱な状態から安全が保障され経済的に自立した状態へ移行できるよう、意識的に彼らと協働すること。
  2. 生産者と労働者が自らの組織において優位なステークホルダーとなれるようにエンパワーすること。
  3. より公正な国際貿易を実現すべく、国際的な場でより広範な役割を積極的に果たすこと。

以上の共通定義から、フェアトレードが最終的に目指しているのは「持続的な発展」であるが、

より具体的には、疎外された生産者・労働者の権利保障・自立・エンパワメント、および、より公正な国際貿易の実現、ないし国際貿易のルール・慣行の変革 の2つを目指している。